代理店から集めた販売データのフォーマットがバラバラで、毎回手作業で整形してからBIツールに取り込んでいる。この前処理に時間がかかってしまい、本来注力すべき分析に十分な時間をかけられない。必要な情報をタイムリーに把握できるよう、もっとスムーズにデータを整える仕組みがほしい。
なるほど、それはかなり手間がかかってしまいますね…。
販売データは、代理店さんごとにフォーマットが違ったり、名称の揺れや項目の抜けもあったりしますから、毎回の整形作業は大変だと思います。
まずは、私たちでそのバラバラなデータをお預かりし、形式の統一や揺れの補正など、必要なクレンジング処理を施したうえで、BIツールにそのまま取り込める状態にして納品することが可能です。
もちろん、今後も定期的に発生するような処理であれば、整形作業の一部を自動化するツールを開発することもできます。
さらに、もし今後、販売データ以外にも複数のシステムやファイルをまたがって情報を活用していきたいというご構想があるようでしたら、既存のシステムやExcelファイルをデータウェアハウスに集約せずに“仮想的に”つなぐことができるデータ活用基盤をご提案します。
お客様の具体的な課題やニーズにお伺いし、最適なソリューションをご提案します。
販売データの受領頻度・フォーマットの種類、整形ルールの有無、最終的な出力形式やBIツールの仕様、今後の自動化・統合ニーズなどをヒアリングさせていただきます。
これらの情報を基に、提案させていただきますので、詳細なご要望をお聞かせください。
販売データの整形業務を効率化するための方法
フォーマットがバラバラなデータをスムーズに整えるための実践的なアプローチや、前処理の時間を削減するための工夫をご紹介します。
Excelの活用法からETLツールまで、現場で「すぐに使える」ヒントをまとめました。
【データ前処理の自動化】を実現する
ためのアプローチ
① データクレンジングの自動化ツールの活用
ExcelのマクロやVBAを利用して、データ整形の処理を自動化できます。
繰り返しの定型作業をスクリプトとして記録し、ボタンをクリックするだけで実行可能にできます。
例えば、列の整形や不要なデータの削除を一括処理できます。
② PythonやRなどのスクリプトによる処理の標準化
バラバラなフォーマットのCSVやExcelデータも、スクリプトで一貫した形式に変換可能。
pandas(Pythonライブラリ)を使えば、「列のリネーム」「不要データの削除」「重複排除」「型変換」などを自動化できます。
社内にスキルがない場合でも、初期テンプレートを作っておけば、属人化を防ぐことができます。
【フォーマット統一】を進める工夫
① フォーマット収集ポリシーの策定
代理店に送付用テンプレートを提供し、入力ルールや例を明記しておくと、回収後の整形が大幅に削減できます。
例えば、「日付はYYYY/MM/DDで統一」「商品名はマスタに基づくコードで記載」など、前提条件を明示します。
② 各代理店のフォーマットをマッピングしておく
各代理店が使う項目と、自社で必要な項目の対応表(マッピング表)を作っておくと、変換処理をスクリプト化しやすくなります。
例:代理店Aの「型番」=代理店Bの「商品コード」=自社の「ProductID」など。
【データ連携の高速化】につながる技術
① クラウドストレージ×BIツールの連携
Google Drive や OneDrive に集約 → Power BI や Tableau が自動取り込み、という仕組みを作っておくと、ファイルを置くだけで更新されます。
Power BIには「スケジュール更新」機能があるため、時間指定で自動反映も可能です。
② ETL(Extract / Transform / Load)ツールの活用
Alteryx、Talend、DataSpider などのツールは、GUIベースでデータ変換フローを作成できます。
ファイル形式に応じたルールベース変換が可能で、「バラバラなExcelフォーマット」の取込にも対応できます。
【そもそも加工しなくてよい仕組み】を
構築する視点
① 販売データ入力時に「構造化」させる
WebフォームやGoogleフォームで販売実績を集めれば、はじめからCSV構造のデータとして取得できます。
RPAでExcelファイルの内容を構造化DBに書き込む仕組みも、属人性の低減に有効です。
② マスターデータ連携による一元化
商品名、カテゴリ、地域などをあらかじめマスタ管理しておけば、名称揺れ(例:「関東支社」vs「関東営業所」)を防止できます。
名前の揺れがBIでの集計精度を落とす主因になるため、前処理では最優先で対策すべきポイントです。
バラバラなデータを効率よく整える小ワザ
代理店ごとに「商品名の列が違う」「日付の書式がバラバラ」「不要なヘッダー行が混在している」など、Excelで扱う販売データの形式が統一されていないと、整形だけで多くの時間を取られてしまいます。こうした状況でも、毎回の手作業を少しでも軽減できるよう、Excelの基本機能だけで実践できる“前処理の時短テクニック”をご紹介します。
【1】必要な列だけを抽出する
「INDIRECT関数」で名前付きセルを呼び出す
代理店ごとに列の並びが違うけれど、「商品名」や「売上金額」など、必要な列だけ使いたいときに便利です。
毎回列番号を手作業で探さなくても、名前で呼び出せます。
<手法>
各代理店データの「商品名」の列(例:C列)に名前を付けます。
→ 例:「商品名_代理店A」
集計用シートでセルに =INDIRECT(“商品名_代理店A”) と入力します。
→ すると、元データの「商品名」列だけを呼び出せます。
【2】列名の違いを吸収
「MATCH × INDEX関数」で動的に参照
「売上日」「販売日」「日付」など、同じ意味なのに列名が違うときに、列番号を自動で見つけてくれます。
「何列目にあるか分からない列」でも自動で見つけて参照してくれるので、代理店ごとの列順に悩まされなくなります。
<手法>
データの1行目(見出し)を対象に、MATCH関数で列番号を取得します。
→ =MATCH(“販売日”,1:1,0)
INDEX関数で、該当列のデータを取り出します。
→ =INDEX(2:100,ROW(A1),MATCH(“販売日”,1:1,0))
【3】バラバラな日付表記を統一
「TEXT関数」で書式を整える
「6/1」「2025-06-01」「6月1日」など、見た目も形式も違う日付を1つのフォーマットにそろえます。
日付がバラバラだと並べ替えや集計でトラブルになりがちなので、まず統一が大切です。
<手法>
セルに =TEXT(A2,”yyyy/mm/dd”) と入力すると、「2025/06/01」のように統一されます。
もし日付が文字列として扱われている場合、先に =DATEVALUE(A2) を使って日付に変換してから、TEXTで整えると安全です。
【4】データ行だけを抜き出す
「IF関数」で条件抽出
見出しの上に「代理店名」「作成日」などの余計な行があるときに、実際のデータ行だけ抽出できます。
「どこからがデータなのか分かりづらい」Excelでも、自動でスクリーニングできます。
<手法>
例:A列が日付になっている行をデータ行とする場合
=IF(ISNUMBER(A2),A2,””)
これで、「数値(=日付)がある行だけ」を抽出できます。
【5】文字列の金額を数値に直す
「SUBSTITUTE × VALUE関数」
「10,000円」や「¥10,000」のような文字付きの金額を、数値に直して集計します。
見た目は金額でも、Excelが「文字列」と認識していると合計や平均がうまく動きません。この処理で対応できます。
<手法>
まず SUBSTITUTE(A2,”円”,””) で「円」を削除します。
さらに SUBSTITUTE(…,”¥”,””) で「¥」も削除します。
最後に =VALUE(…) で数値に変換します。
例:
=VALUE(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A2,”円”,””),”¥”,””))
【6】代理店別テンプレートを作成
「貼るだけ整形」の仕組み化
毎回同じ代理店からのデータを整形するのに、毎回同じ操作を繰り返している…そんなときにおすすめの方法です。
代理店ごとに1回テンプレートを作れば、次回以降の整形は貼り付けるだけになります。
<手法>
各代理店用に、「データ貼り付け用」のシートを作成します。
整形後のシートでは、INDIRECTやINDEXを使って元シートの値を自動取得します。
あとはその代理店のデータをコピペするだけで整形完了です。
データ活用・分析でお困りなら
ジェイ・アイ・エムにおまかせください
OTHER ARTICLESその他の課題別ご提案例
-
知財や市場のデータをつなぎ合わせて、開発のヒントを導き出せるようにしたい
- 業種
- 製造・メーカー
- 職種
- 技術開発
- 課題
- 様々なデータを組み合わせてビジネスのヒントを得たい 膨⼤なデータを⾼速で処理したい
-
基幹システムに必要な情報が不足し、顧客対応に無駄な手間とタイムロスが発生している
- 業種
- 製造・メーカー
- 職種
- 経営企画/DX推進担当
- 課題
- 膨⼤なデータを⾼速で処理したい 業務に必要なデータを簡単に⾒られるようにしたい
-
試験データをうまく分析して、次に作る製品の方向性や基準を見つけたい
- 業種
- 製造・メーカー
- 職種
- 設計/開発
- 課題
- 様々なデータを組み合わせてビジネスのヒントを得たい 膨⼤なデータを⾼速で処理したい
-
現場の担当者が自由にデータを分析し、次のアクションを考えられる仕組みを構築したい。
- 業種
- 製造・メーカー
- 職種
- 経営企画/DX推進担当
- 課題
- 様々なデータを組み合わせてビジネスのヒントを得たい 業務に必要なデータを簡単に⾒られるようにしたい
-
データ利活用の前に、データベース統合とマスター体系再構築という壁を乗り換えなければ…
- 業種
- 製造・メーカー
- 職種
- 経営企画/DX推進担当
- 課題
- 様々なデータを組み合わせてビジネスのヒントを得たい 業務に必要なデータを簡単に⾒られるようにしたい
-
工場運営のデータは、フォーマットの違いやデータ量の多さが原因で、スピード感を持って活用できていない。
- 業種
- 製造・メーカー
- 職種
- 情報システム
- 課題
- データに基づいた経営判断を⾏いたい 様々なデータを組み合わせてビジネスのヒントを得たい 膨⼤なデータを⾼速で処理したい 業務に必要なデータを簡単に⾒られるようにしたい