課題別ご提案例BIを導入したのに使っていない…結局、Excelでデータ集計・分析を行っている

お役様のお悩み

BIツールを導入しましたが、思ったほど活用が進んでいません。最初はダッシュボードを作って盛り上がったものの、今では「どの画面を見ればよいのか分からない」「結局Excelで集計している」という声が出ています。データの抽出や指標設定も複雑で、使いこなせるのは一部の担当者だけ。現場からは「欲しい情報がすぐに出せない」「BIを開く時間がない」といった声もあり、せっかくの仕組みが日常業務に根付いていないのが現状です。結果として、業務改善や判断のスピードアップといった効果も実感できず、経営層に対して“BI投資の成果”を説明するのが難しくなってきています。

JIMの提案

「BIを導入したのに活用できない」というお悩みは、多くの企業で共通しています。ツールの機能そのものよりも、“どう運用するか”や“使われる仕組みがあるか”が、定着の分かれ道になります。

よく見られるのは、次のような状況です。
・データ抽出や加工をIT部門に依存し、現場が自走できない
・BIから出力したデータをExcelで再加工してしまう
・Excelで独自レポートが乱立し、どの数字を信じてよいか分からなくなる

こうした場合、まずはBIとExcelの役割を整理し、運用ルールを明確にすることが効果的です。たとえば「BIでは標準レポートを確認し、詳細分析やシミュレーションはExcelで行う」といった具合です。これにより、現場での混乱を抑え、データの“正しい使い方”を定着させやすくなります。

また、操作に慣れない現場が多い場合は、BI担当を配置して日常的なサポートを行うのも有効です。“誰でも使える状態”を維持することが、活用の第一歩になります。

BIが活用されない背景には、ツールの問題だけでなく、運用体制やデータの整備状況など、いくつもの要因が重なっています。そのため、「何を」「どのような判断のために」BIで見たいのかを整理することから始めるのが有効です。

まずは、どのような業務や判断シーンで「BIを活かしたい」とお考えなのかをお伺いし、それに合わせた最適な進め方をご提案いたします。詳細なご要望をぜひお聞かせください。

BI活用が進まないときの見直しヒント

BIツールを導入したものの、「思ったように使われていない」「結局Excelに戻ってしまう」と感じている企業は少なくありません。導入当初はダッシュボードを整備し、経営会議や定例報告で活用されていたものの、いつの間にか操作できる人が限られ、必要な情報を取り出すのにも時間がかかる──そんな状況が起きがちです。

多くの場合、原因はツールそのものではなく、“運用の仕組みや目的設定にズレがある”ことにあります。たとえば、導入目的が「可視化」にとどまり、実際の意思決定や業務改善にどう使うかが曖昧なまま進んでいたり、部門ごとに定義の異なる数値が並び、どのデータを信じてよいか分からなくなっていたりします。

BIは「導入すること」が目的ではなく、「使われ続けること」に価値があります。そのためには、ツールを変えるよりも先に、“BIが使われる環境”を整えることが欠かせません。

ここでは、BI活用が進まないときに見直したいポイントや、Excelに戻らずに併用させるための工夫を整理してご紹介します。

 

“使われるBI”への見直しポイント

BIを定着させるには、ツールを増やすよりも使われる仕組みを整えることが近道です。以下のポイントを手がかりに、BI運用を見直すヒントとしてご活用ください。

 

1. 活用の“目的と場面”を明確にしていますか?

BIは「見ること」ではなく、「判断に使うこと」が目的です。
どの業務・どの会議で使うのかを明確にすると、BIを開く必然性が生まれます。

  • 会議で使う場面を固定する
    → 営業会議では受注・失注、生産会議では品質指標など、テーマごとにBIで確認する内容を決める。
  • Excel業務をBIに置き換える
    → 定例報告や日次集計など、繰り返し行う業務からBI化を進める。
  • “使う目的”を明文化する
    →「何を判断するために見るのか」を明確にすることで、ツールが業務に結びつく。

💡ヒント: 「いつ・どこで・何を見るか」を決めるだけでも、利用率は大きく変わります。

 

2. “公式レポート”を定義して信頼性を保っていますか?

同じ「売上」でも資料ごとに数字が違うと、BIへの信頼が失われます。
信頼性を高めるには、「どの数字を正とするか」を明確にしましょう。

  • 公式レポートを設定する
    →「この画面の数値を正式とする」と定義し、他の資料との混在を防ぐ。
  • 定義とルールを共有する
    → 集計対象・計算式・更新頻度を簡潔にまとめ、社内で共有。
  • 公式と自由分析を分ける
    → 公式レポートは共通指標、自由分析は各部門の深掘りと役割を分担。

💡ヒント: 「どの数字を信じればいいか」が明確になると、BIは“信頼できるツール”になります。

 

3. 現場が“自走”できる仕組みを整えていますか?

BIを一部の担当者しか扱えない状態では、定着は進みません。
重要なのは、現場が自分たちで“使いこなせる状態”をつくることです。

  • 導入時から現場代表を巻き込む
    → 画面設計や指標設定を一緒に検討し、当事者意識を高める。
  • 実データを使ったOJT型研修を行う
    → 自部署の数値で操作を体験し、業務に直結したスキルを習得。
  • 成功事例を社内で共有する
    →「BIで作った資料が会議で採用された」などの体験を全社で共有。
  • 相談・フォロー体制を整える
    → “BIサポーター”やFAQを整備し、困ったときに支援できる仕組みを用意。

💡ヒント: 教えるよりも、“使い続けられる仕組み”を整えることが定着の近道です。

 

4. ダッシュボードを“更新する文化”を持っていますか?

導入時のダッシュボードを“完成形”にしてしまうと、次第に業務とのズレが生まれます。
定期的な見直しで、BIを“今の業務に合った道具”に保ちましょう。

  • 定期的に「使い勝手の棚卸し」を行う
    → 四半期に1度、利用頻度や不便な点を確認し、現場の声を反映。
  • 不要な画面を整理する
    → 見られていないレポートや古い指標を削除し、使いやすさを保つ。
  • 改善要望を集める仕組みをつくる
    → 社内フォームやミーティングで意見を収集し、継続改善を仕組み化。

💡ヒント: 「意見を出したら反映された」という経験が、BIを“自分たちのツール”に変えます。

 

5. “Excel逆戻り”の理由を把握していますか?

「結局Excelの方が早い」という声は、BI改善のヒントです。
Excelが使われる理由を分析し、BI側で解決できる部分を特定しましょう。

  • 不足している指標を追加する
    → Excelでしか見られない分析軸をBIに組み込み、使う理由をなくす。
  • 更新タイミングを見直す
    → リアルタイム性が足りない場合は、更新頻度を短縮。
  • 柔軟な分析エリアを設ける
    → 現場が試算や仮説検証をしやすい“自由分析画面”を用意。

💡ヒント: Excelは“問題”ではなく、“改善のサイン”。その声を拾えばBIは進化します。

 

6. “使われていないBI”を整理していますか?

どんなに多機能でも、使われていない画面はBI全体の信頼性を下げます。
「見られていない」=「不要な可能性が高い」と捉え、定期的に棚卸ししましょう。

  • 利用状況を可視化する
    → BIのアクセスログを確認し、使われていない画面を把握。
  • 不要な画面を削除・統合する
    → 目的が重複しているレポートは統一し、整理する。
  • 必要に応じて目的を再定義する
    →「なぜこの画面が必要か」を見直し、本当に残すべきレポートを選定。

💡ヒント: 「BIを減らす勇気」が、“使われるBI”を育てます。

 

🔍 まとめ

BIが活用される組織は、特別なツールを使っているわけではありません。目的を明確にし、ルールを整え、現場が使い続けられる仕組みを築くこと――。その積み重ねが、BIを“導入しただけ”から“活かせる仕組み”へと変えていきます。

 

Excelを敵にしない運用設計

「BIを定着させるにはExcelをなくすべきだ」と考える企業は少なくありません。しかし、Excelを一方的に排除すると、現場の反発や“裏Excel”運用が発生し、かえって混乱を招いてしまうケースが多く見られます。

BIを活かすうえで重要なのは、Excelを敵視せず、適切に共存させる運用を設計すること――。ここでは、両者の得意分野を整理し、現実的な併用のあり方を考えていきます。

 

BIとExcel、それぞれの“得意”を整理し、併用ルールを設計する

BIとExcelは、どちらも欠かせないデータ活用ツールです。目的が異なるため、どちらを“使うか”ではなく、どう役割を分担して連携させるかを考えることがポイントです。

基本の考え方:
  • BI:全社で共通認識を持つための公式基盤 → 誰が見ても同じ数値で判断できる「共通言語」
  • Excel:現場が試行・検証するための柔軟なツール → 新しい発想や仮説検証を行う「個別検証の場」

BIで見る → 必要に応じてExcelで補足 → 有用ならBIに反映、という循環をつくるのが理想です。

 

BIとExcelを併用する運用の考え方:
利用シーン 運用の考え方
定例会議・報告資料の作成 BIの公式レポートを使って全社共通の数値で意思決定を行う。必要に応じて、BIから出力したデータをExcelに引用し、補足説明やコメントを追記して資料を整える。Excel主体に戻らないよう、BIを“信頼できる元データ”として扱う。
詳細分析・仮説検証 BIで全体の傾向を把握し、より詳細な検証が必要なときにExcelでデータを深掘りする。Excelでの発見はBIの新指標やレポート改修に反映する流れを仕組み化する。
部門・拠点別の業績確認 BIで標準化された指標を用い、全社で同じ数値を基準に議論する。自部署の分析や独自集計はExcelで行い、全体比較に活かす。
データ品質・整合性の維持 BI側でデータ更新やマスタ整合を一元管理し、全社で信頼できる数値を保持する。Excelで個人集計を行う場合は参考情報として扱い、正式なデータ反映は行わない。

💡ヒント:「BI=共通基盤」「Excel=実験場」と整理すると、両者の役割が明確になり、無理のない共存が可能になります。

 

“Excel発”の気づきをBIに還元する

Excelでの分析は、単なる補助作業ではなく、BIを改善・成長させる現場知です。
その知見を個人の工夫に留めず、仕組みとしてBIに還元していくことで、活用の幅が広がります。

  • 現場提案を受け付けるルートを明確にする
    →「Excelでこう分析したら成果が出た」といった報告を、定例会や専用フォームで共有。
  • 採用された分析軸をBIに登録する
    → 優れたExcel分析を、BIの指標やレポートとして正式に追加。
  • 更新情報を共有し、成功体験を広げる
    →「○○分析がBIに追加されました」と社内で発信し、他部署にも波及させる。

💡ヒント: Excelでの試行を“現場の知恵”としてBIに取り込むことで、BIは組織全体で育つ仕組みになります。

 

レポート乱立を防ぐ“棚卸しルール”を決める

ExcelとBIを併用すると、時間の経過とともにレポートが増え、「どれが最新か分からない」「どれを消してよいか判断できない」という状況が起こりがちです。
これを防ぐには、定期的な棚卸しの仕組みを設けましょう。

  • 半年〜1年ごとに利用頻度を確認
  • 使われていないレポートは削除またはアーカイブ
  • 内容が重複しているものは統合

💡ヒント: 「作る仕組み」だけでなく、「消す仕組み」を決めることが、運用を長く安定させるポイントです。

 

Excelを“なくす”より、“活かす”

BIが定着しない原因は、ツールの性能だけにあるわけではありません。
本当に大切なのは、「どう使うか」を社内で共有し、現場にとって使いやすい“活用の型”をつくることです。

Excelを排除するのではなく、BIとExcelの“ちょうどいい距離感”を見つけること。
BIで共通の指標を整え、Excelで柔軟に検証しながら、新しい発想を生み出す──
その循環が、BIを「導入しただけ」から「使われ続ける仕組み」へと変えていきます。

私たちは、こうした取り組みをスムーズに進めるための環境づくりや運用面での工夫をサポートしています。
既存の仕組みを最大限に活かしながら、必要に応じて“より使いやすく、つながりやすい環境”への改善もお手伝いしています。

 

 

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